金インクで特別をつくろう


レトロ印刷には、現在32色のインクがあるのですが
1色だけ特別な扱いのインクがあります。

それが、金インクです。

レトロ印刷のインクは、黒でも蛍光色でも基本的に同じ料金なのですが、
金インクだけはちょっぴりお高め。

でも、金色のキラキラの特別な輝きは
他のインクではどうしても表現できないものです!
今回は気合いをいれて、ちょっぴり奮発しよう。
そんな気持ちで金インクを使ってみてください!

しかし、このレトロ印刷の金インク、
ちょっぴりクセがあるんです。


◎インクが落ちやすい

金箔のような、つるつるとした金を想像されることが多いのですが、
JAMの金インクは賞状の枠部分のような粉っぽい金インクです。
他のどのインクよりもインク落ちが大きいため、広い面積の印刷はあまり向いていません。
また、製本の表紙など、頻繁に手に触れるものに使う際には注意が必要です。



◎ツヤプリが出来ない

金インクを使用した印刷物をもう一度機械に通すと
インクがおち、機械内部がかなり汚れてしまうので、ツヤプリ加工との併用ができません。
ツヤプリも金インクも、どちらも魅力的なんですが…どちらか片方のみに絞ってくださいね。



◎片面にしか使えない

これも同じ「機械の汚れ」という理由から、片面に金インクが使われた場合は
もう片面には金は使えません。
そんなこと言ったって!両面、金インクを使いたい!
という場合は、「似せ金」として裏面は黄土を使うのも
アリかもしれませんね◎



◎ミシン目・製本の加工は要相談

さっき貼った写真のように、加工の機械も汚れてしまいます。
金インクの面積が少なければ問題ないのですが
面積が広く、汚れが懸念される場合は加工をお断りする場合もあります。
ご注文前に一度ご相談くださいね!



◎ほとんど混色せず、一番上にのる

レトロ印刷のインクは、重なる部分は色が混ざります。
しかし金インクは他のインクをはじきやすく、ほとんど混色しません!
黒インクの上にもしっかり発色してくれるんですよ。



…と、いろいろ金インクの個性を書き連ねましたが
そのクセも全部愛したくなるくらい、
金インクは印刷物に最高の特別感を加えてくれるんです。



過去のJAM置きから、金インクの素敵な作品をいくつかご紹介します!


●黒い紙×金インクの相性は抜群!!
くろ×金・黒・水・白

にごり紙墨×金

にごり紙墨×金・白

にごり紙墨×白・黄緑・もも・金


●上に乗るのを利用して、大胆に金を重ねてみる!

しろ×金・蛍光ピンク
ねずみ×金・黒

バウム×金・黒



●年賀状やクリスマスカードにもキラキラ大活躍!!


しろ×金・ラムネ・赤

ベルーガ×金・ラムネ


●1色でシンプルが、カッコイイ…!!






・最近、インクの組み合わせもマンネリ化してきたな~
・ちょっとパンチが欲しいな~
・なにかひとつ、特別感が欲しいな~

そんな時は、是非!金インクを使ってみて下さい◎





カレンダーつくろうよ


もう、9月も半ばですね。
JAMにも じわ、じわ、と年末が近づく音が聞こえます。

来年に向けて準備しておきたいものといえば!
そう、カレンダーです!

カレンダーを作って、友達にあげたり、販売したりしたいですよね。
年始から使い始めるためには、もうそろそろ作らなきゃ…

JAMでもチラホラとカレンダーの注文を見かけるようになりました。
ああ、もうそんな時期か、と印刷物で季節を感じています。


今回はJAMで作れるカレンダーの種類をまとめてみました!


平綴じミシン製本


(綴りの間違いはご愛嬌)

時間に余裕があれば絶対やりたい!
平綴じミシン製本でカレンダー!!


オプションの ミシン目・穴あけ加工をすれば
壁に飾れる!一枚ずつ千切れる!

う~ん、ワクワクしますね。

平綴じ製本は、
中綴じ製本の時のような、ちょっと難しい面付けは必要ありません。
単純に、いつものペラ紙を順番に重ねて、片側をミシンで綴じる!
という感覚で注文が出来るので、製本が初めての人にもオススメです○

ただ、パカッとは開かないので、綴じの近くは見えづらくなります。
綴じ位置をよく確認して、広めに余白を取っておきましょう。

そしてなんといっても JAMの製本の楽しいところは、

本文の紙を一枚ずつ変えられるところ!
インクを変えても同じ色数なら料金が変わらないところ!

だから一枚ずつ紙とインクの組み合わせを変えて、
カラフルな仕上がりにすることが出来ます!!

ちなみに、この平綴じ製本の納期は
8日後発送になります。

基本の平綴じミシン製本・100冊まで・色数2/2色までであれば
6日後発送、
オプションでミシン目加工で+1日
穴あけ加工で+1日
というわけで、6+1+1=8日後発送になります!

※冊数・色数が増えると更に+1日~頂いております。

製本はほぼ手作業のため、
入稿から仕上がりまで時間はかかってしまいますが
もし時間に余裕があれば絶対にオススメの仕様です!!



ポストカードタイプ
3年前のJAM置きから見つけた作品です

綴じなくっても、卓上カードタイプのカレンダーもイイよね!
そんな時はポストカードタイプのカレンダーはいかがでしょうか○

レトポプラスだったら、最大120×190mmまでいけるので
ポストカードより一回り大きなサイズでも作れますよ~!
もちろん紙もインクも変え放題!
いつも通り、レトポ・レトポプラスを12か月分注文するだけです!
片面2色であれば、納期は2日後発送!

めっちゃ早い!って思いますよね。
ただお届け後には自分で1月から12月まで手作業で並べる手間
かかっちゃいます。それも計算に入れてご注文下さいね!


ポスタータイプ

いやいやそんな手間をかける時間もないよ~
そんな時はコレしかない!

フチありA3サイズでポスターカレンダー!!
色数2/0色までならば翌日発送!!

カレンダーのような季節ものは、販売時期が過ぎるとなかなか売れません…
そのため少しでも早く準備が必要です!

なんとな~く、レトロ印刷で何か作りたいな~、と思っているアナタ!
今から作ればちょうどいい時期ではないでしょうか◎

レトロ印刷で作ったものならば、
基本的に特別な審査なしで10部買取・大阪のお店とオンラインお店で販売も行っていますので
カレンダーで初めての作家デビューもいいかもしれませんっ

さあ、今すぐカレンダーを作ろう!


ヒトアジ違う写真にする



印刷物のデザインのアクセントになる写真!

ですが、レトロ印刷の線数は100線と粗め。
また「色ムラ」や「かすれ」が起こるので
写真の再現性は低くなってします。

だったら!逆にその粗さを生かして
ひと味違う写真印刷を楽しんじゃえばいいじゃん!!
ということで、色々写真を印刷してみました~!

こちらが元画像。

この写真をグレースケール化して、
黒インクで刷ったらこんな感じ。
色々細かい所は潰れたり見えなくなったりしちゃってるけれど
すごく味わい深い感じになりました!カッコイイ!


じゃあお次はコチラ!

黒・水・ピンク・黄
これは写真をphotoshopで4色分解して、
C=水 M=蛍光ピンク Y=黄 K=黒 とインクを置き換えて4色で刷ったもの。
※4色分解とは!こちらの記事をドウゾ~!

元画像と見比べると、少しくすんでいるようにも見えるし
色味も違うし、版ズレ起きてるし…。
でも綺麗なフルカラー」とはひと味ちがう、
レトロな味わいがでるんです!




水・ピンク


次は、4色ではなく2色に色数を減らしたもの!
元画像と見比べると、結構色味が違う!けれどなんかいい…!
これはさっきの4色分解のC版とM版のみを使って、水と蛍光ピンクで刷ったものです。
2色でも案外それっぽくなるものですね~。



黒・オレンジ
これも4色版のうち、2版を使ったもの。
K版とM版を使って、黒と蛍光オレンジに当てはめて刷ってみました。
なんだか暖かくて懐かしい感じがします!




黒・水・レッド・黄

これは4色分解ではないけれど、4色刷りをしたものです。
写真をグレースケール化して、ポイントに手作業で色を入れました。
普通の写真より、ポイントで入れた色が鮮やかに見えて目を惹きます~~
このとき、写真はコントラストをはっきりさせておくと、よりイイですよ◎


黒・グリーン・レッド・イエロー

こちらは、蛍光色でばかり刷った4色分解の写真。
C=蛍光グリーン M=蛍光ピンク Y=蛍光イエロー K=黒
全体的に薄くなった感じもしますが、いつもの製本用ミシンがポップでエレクトロニックに見えます~!



水・レッド・黄
こちらは黒以外の3色刷り。
水色版だけを「スクリーンハーフトーン」で粗い網点にしてみました!
この点々がアクセントになって、ちょっぴりレトロ、ちょっぴりアメリカン!



写真ひとつを印刷するのでも
いろんなデータの作り方があり、いろんな見え方があります。
今回は個人的に好きなインクの組み合わせでやってますが、
JAMには32色のインクがあります。
組み合わせでまた全然違う写真の仕上がりになるので、
「この部分の写真、何かヒトアジ加えたいな」というときは
色々試してみてください!

↓以下色々やってみた写真。
灰・ラベンダー・もも・黄緑
黒・水

青・黄・ピンク

水・ピンク

水・ピンク

水・ピンク・黄



紙を知って好きになる


レトロ印刷はインクが半水性のため、完全に定着しません。

綺麗な紙、表面がつるつるした紙だと
インクをはじいて、印刷が出来ません!!

そのため、JAMの印刷に合う紙を日本全国探し回って、
元々印刷用ではないものもレトロ印刷用紙として
取り扱っています!

JAMの紙たちは、知れば知るほど好きになります。

紙たちの愛おしい部分を、ちょっとだけご紹介。

わら半紙
 JAMで一番人気の「わら半紙」。
でも、知ってましたか?これって実は「わら半紙風」なんです。
わらの繊維が入っていないパルプの紙なんですよ~。


JAMにある「富士わら紙」、これには本物のわらの繊維が
入っているんですよ。
富士わら紙
なぜ富士?わら紙?

それは静岡県の製紙会社さんに頼んで
JAM用に紙を漉いてもらっているからです!

富士山の麓で育った稲を秋に収穫し、そのわらを紙にしてもらっています!
秋は稲刈り~~

そのため、秋の収穫の時期にしか藁が手に入りません!
ということは紙は年に1回しか作れません!!

そのため、どこかのタイミングで富士わら紙の在庫がなくなったら
次の秋まで入荷できない、という何とも愛おしい紙なのです!!



次の紙は「レトロ紙」です!
レトロ紙A・B・C
色違いでA・B・Cの3種類!

表面がザラザラ
表面がわら半紙よりもザラザラしていて、水分も吸いやすいので
印刷面にカスレが大きくなるのが特徴です!
マガジン紙という漫画雑誌のような紙で
製本の本文用紙に大人気です!!


個人的に一番ストーリーとして好きなのがこの「くず紙」です!

くず紙
 くず紙は粗雑な質感の再生紙です。
元の紙の色の粒がたくさん入っていたり、
時々文字なんかが入っていたりして面白いんです!!

このくず紙、元々は電球の緩衝材でした。
並々のボール紙っぽいのに包まれているの、見たことありませんか?

 でも最近、電球自体が少なくなりましたね、、
そう、LEDの出現によって…
LEDの影響で居場所を失う電球

LEDの出現で、電球の市場が極端に減少しました。
それに伴い、電球の緩衝材自体も不要となり…
JAMのくず紙も、もう生産終了してしまったのです!!

そのためくず紙は在庫限りの紙になりました!
LEDの出現がこんなところにまで影響するとは!
まだたくさん確保はしているのですが、その在庫もいつなくなるかわかりません!

紙がなくなってしまうのは、ほんとうに寂しいです、、。



在庫限定紙といえば、「雲華紙」もそうです!
こちらは、もはや幻の紙です。
雲華紙 芥子
 雲華紙は元々ふすまの裏紙の和紙です。
押入れのふすまの裏側、見てみてください!
こんな雲の模様入っていませんか?(最近のは入ってないのかな~)

これを果敢にもJAMは印刷用にしました!
するとどうでしょう!
割と!雲が!印刷の!邪魔!
なんて。その雲を取って、フラットな色の和紙にしてもらったのが
にごり紙」です。

上:にごり紙 下:雲華紙
※雲華紙は在庫僅少で本当にもう数枚しかないです!!!
 幻の紙!!!ゴメンナサイ!!

 うん!いい感じに印刷できそう!
和紙なので、なかなかにシブい色のラインナップそろえてますよ~~
名前も割と好き。
にごり紙 青磁・松茶・銀鼠・芥子・墨・鶯・露草
シッブーーーー!


名前といえば、JAMで勝手に名付けている名前の紙が多いんですよ!
ハトロン紙」「ポッポ紙」はその最たるもの!(だと私は思ってます)
上:ハトロン紙 下:ポッポ紙
 この2種類は表がザラザラ・裏がつるつるの紙です。
一般的にいう「ハトロン紙」は片面に光沢のあるクラフト紙のことなので
下の方もハトロン紙で間違いはないのですが…

洒落の好きな大阪のJAMスタッフです。
ハトロン→ハト→ハトポッポ
ハトポッポ
 ってことで、ハトロン紙ポッポ紙というコンビの紙にしてしまいました~。


最近出た紙にも、同じようなネーミングがあるんです。

バウムと、クーヘン…
厚紙の「バウム」と「クーヘン」です。
う~ん、これ説明必要あるかな~~、、一応しとこ!

最初、クリーム色のふんわりした色味の綺麗な紙を作って売り出す時に
バウムクーヘンみたい!って話がでて、そのまま「バウム」で売り出し。

バウムが人気で、とれもきれいな紙だったので
その色味を抜いて真っ白にした紙をバウムの兄弟として売り出すことに!
そりゃあもう「クーヘン」しかないでしょう。

ドイツ語でバウムは「木」、クーヘンは「ケーキ」という意味で

色味と名前の意味もばっちりだったので、即決でした!


名前についてもうちょっと語らせてもらってもいいなら、
厚紙の「しらす」ですかね。
しらす
しらすは表が白くて裏がねずみ色の紙です。
その色味から雑魚の「しらす」の連想もありますが、
それだけではなく鹿児島県などで有名な「シラス台地」の
火山灰なんかの色味もかけているんです。

コレ、気づかない人の方が多そう!



両面で風合いが違う紙といえば
厚紙の「くろ」ですね!
くろ
 この紙は真っ黒ではないんです。
オモテ面はフラットな黒なんですが、裏面は白い粒粒がたくさん入った紙で
なんだか宇宙っぽい雰囲気なんです!
只の黒で終わらせないこの紙!好きです!!



紙について語っていたらとっても長く熱くなってしまいました。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます!
この文章を読んでいる頃、あなたはもうJAMの紙が好きになっているはず。

紙の裏話を知っていると、
印刷の紙の選び方もちょっと変わりそうですよね。

愛おしくてたまらないJAMの紙、
色々と使ってみてくださいね。